英語は小さいうちに始めないと身につかない?いえいえそんなことはありません。私も大人になってからほぼ独学で英語を身につけたうちの一人です。
英語ができたらと思うきっかけはたくさんありますよね。
- 街で英語で道を聞かれたり海外旅行に行くたび、英語が話せたらと思う
- 仕事でたまに来られる外国人のお客さんと英語で話したい
- 英検やTOEICなど英語の試験を受ける必要がある
- 英語ができれば仕事の選択肢が広がるので、将来のためにがんばりたい
ですが、いざ英語の学習方法を検索すると情報がありすぎてどれが良いか分からなくなります。それに、人やサイトによって言っていることが違っていることも。
というか広告が多すぎて、検索してるうちによく分からなくなってきませんか?そもそも英語って、独学で習得できないものでしょうか。
コツはいくつかあるけれど大人になってからでも、英語はほぼ独学でも身につけられるというのが私の考え&経験です。
語学を身につけるのは長い旅のようなもので、まず目的地をはっきり決める必要があります。街で道案内が出来ればいいのか、仕事でプレゼンができるようになりたいのかなどですね。その他にも、かけられる時間とお金など、考えることはたくさんあります。
そこでこの記事では、大人になってから英語を独学で身につけたい方に向けて、最初にやっておきたい英語の目標設定について詳しくお伝えします。
大人になってからでも、英語は身につけられる
「英語臨界期仮説 (Critical Period Hypothesis) 」という仮説では、思春期を過ぎたらネイティブ並みの能力は身につけられないとされています。
私は中学3年の時にこの理論を知りました。英語が話せる日本人すら学校の先生以外で見たことがない、という田舎街で生まれ育ったので、この理論に大変ショックを受けました。私の人生では英語を話せる可能性がほぼないということかと。
ですが時が経ち19歳になった私は、ネイティブ並みとまは行きませんがシンプルな英語を話せるようになっていました。大学受験で、音読と瞬間英作文をやり込んだおかげです。
それにこの英語臨界期仮説も実は十分に証明されておらず、また臨界期の終わりが何歳ごろかも詳しく分かっていないとのこと。なんだ。。心配したじゃないか。思春期の私の落胆を返して。
今はYouTubeでも、「英語力ゼロから独学で英語を身につけた」系の動画がいくつも上がっていますよね。そうした動画の発信者さんには、発音がとてもきれいな方も多いです。
こういう人は英語学習者全体でみればごくわずかなのかもしれませんが、日本生まれ日本育ちの人が、大人になってからでも英語は十分に身につけられる、と言えそうですね。
英語でできるようになりたいことは何ですか?【 目的地一覧 】
ペラペラに見えるYouTuberさんもそうですが、「英語が身につく」とは何ができることなのでしょう? 英語の学習を始める前に、そこをはっきりさせることがとても大事です。
これをはっきりさせないままだと英語を学ぶ方法を正しく選べず、なんとなく英会話スクールに行こう、YouTubeの人気チャネルをいっぱい見てみよう、そしてやがて行き詰まり次の方法を探すという、勉強法の英語難民になってしまうことが少なくないのです。
そこで、一般的な英語を学ぶ目的を図にしてみました。右上の方にあるほど習得にかかる時間が長く、扱う表現が多いことを示しています。ご自分の目標はどの辺りか、イメージしてみてください。
左下の道案内は覚える表現が少なく、習得までの時間が短いのはなんとなくお分かりいただけると思います。また映画の英語は欄外に置いていますが、これはどんな映画も理解できるということです。1本の映画だけを理解できればいいのであればTOEICと似たような位置になると思います。
この 〇=目指すゴールの位置も、実は人によって様々ということですね。
道案内だけなら、数か月あれば十分話せるようになる
道案内の英語だけなら、初級者からでも数か月あれば十分だと思っています。スタート地点次第では、もっと早くたどり着けるかもしれません。
以前、ある会社でオンラインの英語トレーニングをしたことがあります。週1回、1回15分で3カ月完結のトレーニングを組みました。文法の解説はほぼなし、道案内と簡単な英会話のパターンを丸暗記してもらいました。
この他に宿題として、”It’s over there.” など覚えたい一文を毎日10回声に出してもらっていたのですが、しっかり取り組まれた方は3か月で、道案内やよく聞かれる質問の対応ができるようになってくださいました!
その受講者さんたちはトレーニング開始前、大半の方が英語には苦手意識をお持ちでした。中学でつまづいて、という方も非常に多かったです。ですが限られた内容であれば、丸暗記してしまえば話せるようになるんです。
日本でも外国人のスタッフの方をコンビニやファミレスなど色々なところで見かけるようになりましたが、彼らもおそらく、日本語の定型文を繰り返し聞き、実際に使うことで暗記し、お仕事をされているはず。
そうした外国人の方にとっての日本語と同様に、道案内の英語は想定される英語表現が限られているので、丸暗記でも対応が可能というわけですね。
TOEICや英検は、目的ではなく「通過点」
TOEICや英検などの英語の試験での高得点がゴールという場合、目指す点数、あるいは合格したい級を明確にしましょう。
目標点を決めるときは、今の自分が「少し背伸びすれば届きそう」と思える目標=ストレッチ目標がお勧めです。人間は、自分にもできそう、と思えるゴール設定であれば行動できるからです。
特にTOEICに関しては対策本や動画があふれていますよね。そういうものを利用するのもNGではないですが、本当は無対策で試験会場に行くことで真の実力を測れるのではと思います。
テストはあくまでも実力を「測る」もの。高い得点そのものを目的にするのは、ちょっと違うんじゃない?と思うのです。事実、TOEIC L&Rで900点を超えてもほとんど話せない人がたくさんおられますからね。
一方で、会社で「600点取得が管理職への昇進要件になっている」などの場合もあると思います。その場合、目標点によりますがテクニック的なもので乗り切るのが正解なのでしょうか。
ある程度のテスト慣れは必要ですが、英語力そのものを上げるトレーニングをするほうがかえって早いのでは、と私は思います。TOEICで点を取った後、実際に英語で仕事をしていく可能性があるのであればなおさら、英語力そのものを上げたいですね。
ちなみにですが私の英語の師匠は、全く対策なしでさらっとTOEICでハイスコアをたたき出し、英検1級にも合格されました。。すごいの一言、これぞホンモノの英語力をお持ちの証拠です。
英語の目標設定 7つの質問
ここまでを踏まえて、7つの質問に答えてみて下さい。英語をなんのために勉強するのかと、どのように勉強していきたいかがクリアになると思います。
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- 具体的なゴール設定:あなたは英語で、何ができるようになることがゴールですか?
- 例)海外旅行で基本の会話ができること、TOEICの得点アップ、会議でプレゼンできるようになりたいなど
- 学習期間:その目標にたどり着くために、どれくらいの期間をかけられますか?
- TOEICや英検が目標なのであれば、試験の日程を調べてみましょう。
- 遠すぎる目標だとやる気が起きないため、まず3カ月ほど先の期間設定がベストです。
- 予算:学習教材、オンラインスクーなど、どれくらいの予算がかけられそうですか。
- 協力者の有無:同僚や友人で、協力したり一緒に英語を学んでくれそうな人はいますか?
- 学習スタイル:独学か、オンラインのスクールか、通学するか、希望のスタイルはありますか?
- 勉強時間の確保:日々のスケジュールに、どのように英語を組み込めそうでしょうか?
- 環境の整備:静かな勉強場所や、学習ツールの準備など、学習環境は整えられそうでしょうか?
くり返し声に出して練習すれば、英語は話せるようになる
本気で英語力を上げたい人もそうでない人にも、英文の丸暗記はお勧めです。暗記は英語を身につける基本だからです。
また、限られた範囲の英語を覚え、それを実際に使ってみることで成功体験ができれば、それが英語学習へのモチベーションになります。
覚えたい英語ですが、自分が言いたいことを日本語で書き出して、それを英訳すると良いでしょう。世の中にある教材から集めてくるのも良いですね。それを1日10回など何度も何度も音読を繰り返すと、自然と覚えてしまうでしょう。
それから、自分は英語がペラペラなんだと思い込む、なり切るのも有効です。自分なりの楽しみを見つけながら、短い英文の暗記にチャレンジしてみてくださいね。
まとめ
大人になってからでも、英語を身につけることは十分可能です。その場合は、ゴールを明確に決めましょう。それによって、ムダな遠回りを防げます。
また、小さな成功体験を積むことも大事です。限られた範囲の英語を何度も声に出して丸暗記してしまうことをお勧めします。カタコトでも自分の言葉で英語が通じた、という経験が英語学習へのモチベーションになるからです。ぜひ英語学習という旅を楽しんでくださいね。
Thank you for reading, and see you next time!