世界のイマージョン事情:イェール大学の場合

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ハローみなさま😊 How are you feeling today? 本日もSweet English へいらっしゃいませー。

ふと立ち寄った図書館で、ザ・イマージョンラーニング、な本を見つけました:「世界の非ネイティブエリートがやっている英語勉強法」。もう10年も前に発売されていて、版を重ねているのでご存じの方も多いかもしれません。

発売当時、私も手に取っていたのですがなぜかピンとこなくて購入せず。でも今ならわかります、これはど直球のイマージョンラーニングだなと。それでもマットやユート氏との学習法の違いはあるので、その辺りを少し比較・解説していきたいと思います。

特に私が気になったのは、同じコンテンツを「これと決めたら500回繰り返そう」というところ。ここ、最近かなり迷っていたポイントなので参考になりそうです!

目次

本の要約

「世界の非ネイティブエリートがやっている英語勉強法」を、私なりにまとめてみますね。

著者:斉藤 淳氏

上智大の英語学科を卒業し、イェール大学の院で政治学の博士課程を修了されています。 その後イェールを含むいくつかの大学で教壇に立ち、2014年に東京で英語学習塾を創設されました。

イェール大の教育環境

・米国の名門、イェール大で教鞭を取っていた著者によると、同大学で1年間外国語を勉強すれば、かなりの語学力を獲得できる。もっとも効率的な語学の習得法は、世界においてすでに答えが確立されているとのこと。

・日本からイェールに留学するような超・優秀な学生も英語ではかなり苦労していた。日本において中学から10年も英語を学んでもできるようにならないのは、「根本的誤り」があるからではないか

言語漬けの環境:イェール大では1回50分の授業が週5回、スピーキングが中心。会話練習用の教材や、気楽に会話できるカフェテリアを設けるなど独学をサポートする仕組みも整っている。夏休みは現地研修のプログラムに参加する。その言語の文化も丸ごと学んだほうが良いため

イマージョン式の講義:イェール大では基本的に学ぶ言語のみで講義が進められる。「TPR」= Total Physical Response 全身反応教育、の発想があると思われる。教える側は全て語学教育の専門家。

学習の成果3年後には「流暢に会話できるレベル」にまで到達する

英語学習者に役立つ方法論

・「状況」に飛び込もう、動画が最強ツール。動画から学ぶと、定着度が全く違う。視覚情報を「補助」として、とにかく言葉をそのままインプットする。英語字幕はOK、日本語字幕はNG

語学の入門は発音から。効率的に身につけたいなら、発音から学ぶのが最短ルート。シャドーイングも効果的。スペルは気にせず、そのままの音を再現する

単語には意味ではなく、「絵」を結びつける。ピクチャーディクショナリーが良い。

文法は、文がスラスラ言えるまで覚える(日本のように穴埋めや選択式の問題に回答する程度で満足してはいけない)

・文法においては時制、その次に助動詞が大事。日本で「had better ~」は「〜したほうがいい」と教えられているがこれは誤り。この例のように、助動詞を英語で書かれた参考書で学ぶと良い。

・インプット8割、アウトプット2割くらいの割合で学ぶのがベスト。アウトプットの中でも、特に重視すべきなのがスピーキング。その次に重視するのはライティング。

・動画ニュースのディクテーション(書き起こし)をするとリスニングとライティング力も高められる。

・リスニングは次々と新しいものを聞くのも良いが、「これ!」と決めたら500回繰り返す。イントネーションや息継ぎまで全て完コピするつもりで。

・英語はネイティブに習うもの、という幻想を捨てよう。これは大人にも子供にも当てはまる。

特に刺さった内容 ー 日本の英語教育への問題提起

日本において中学から10年も英語を学んでもできるようにならないのは、「根本的誤り」があるからではないか。冒頭部のこの一文が、もっとも胸に刺さりました。以前から言われていることで、多くの日本人が英語に苦しみ、人によって多くのお金を使い、また時間も使い、それでも続けられなかったり成果が出なかったりでやがて諦めていくことが多いという悲しい現実。

本当に、もういい加減何とかしたいです。でも、世界的に確立された言語習得の方法論があるのに、日本でそれが公教育に取り入れられないのはなぜなのでしょう?

検証してみたいのはここ

著者の斉藤氏がイェール大で経験された言語教育は、まさにイマージョンラーニングです。その言語に浸り、文化までも吸収する。状況に音を付けてある動画を勧められているのも自然なことですね。

その中で、同じ動画やポッドキャストなどを500回視聴しようというメソッドはユートのチャンネルやマットvs Japanで提唱されているところではありません。500回ってそもそも飽きる・・・学びにおけるストレスは良くない・・・うーんどうしたものか。

なぜ500回なのか理由は書いていなかったのですが、これぞという文を丸ごと音読を繰り返して覚えてしまう、というのは個人的な経験から、とても納得できるところです

イマージョンのYouTuberさんたちが提唱する方法ではないものの、毎日彼らのよう5時間も6時間も英語に浸れていないこともあって、アクティブラーニング=そのコンテンツに意識を100%向ける学習の姿勢として音読はかなり短時間で効果的なのでは、と思うのです。

よっし。週明けからトライすることといたします!!

「世界では当たり前の語学環境」を得るために

最後に、著書への個人的な感想です。なぜ大人のための英語塾を開いてくれないのだろう、そう思いました。そして、子どもたちの塾に通える子とそうでない子で大きな差がついてしまうな、とも感じました。いわゆる教育格差というやつです。

東京の自由が丘で始まった著者のスクールはその後校舎が増え、今では都内の複数箇所にあるようです。その上なんと、塾の近隣の小学校から塾までの送迎もあるらしい。すごい・・・

塾の在校生、卒業生の中にはいくつも海外大に合格する子もいるようです。週に3回、5回と通うようですが、お月謝は月10万円くらい?いやもっとでしょうか。

親の経済状況で素晴らしい教育が受けられないとか、たとえ経済的に恵まれていたとしても地方に住んでいるとこうしたサービスにアクセスできないとか、そういった環境差を可能な限り無くしたい。

そして、今すでに大人になった人たちのためにも、こうした「世界では当たり前の語学環境」に容易に手に入れられる世の中を作りたい。そのために、私は日本の英語教育そのものを変えるのが一番早いと思っています。

だから、早くイマージョン環境を作らなくちゃ

斉藤先生の本が10年も前に書かれていたことがまず驚きでした。その頃から、世界的にはもうイマージョンが当たり前だったのだなと。日本も早く追いつかなくてはですね。

そして、せっかくブログをお読みいただいている皆様への本音ですが、この本自体を読んで大人が具体的に明日からの英語への向き合い方を変えられるかというと、少し具体性に欠けるところもあり、難しいかと感じました。

書籍の中では具体的な教材が紹介されてはいたものの、実際に買ってみたらとてもつまらなかった、というAmazonレビューもあったのです。こうやって紹介された教材を自分から買うだけでも素晴らしいこと!おそらく100人中多くて10人くらいなのでは?

そして、その教材をやり遂げて自分の血肉にできる人って、一人か二人・・・。やっぱり人間は基本、サボりますもんね。あぁ、早くみんなで学び合えるイマージョンの環境を作らなくては(おサボりがつねひごろの自分のためにも!です)

本日も、ブログをお読みいただきありがとうございました!Thank you for reading, and see you in the next post!

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