24年総集編:イマージョン3ヶ月の実践と、そこで掴んだ一つの真実

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本日もSweet Englishへようこそ!日本人が誰でも、望めば英語を話せるようになる世の中を作るんだ、という思いで2024年半ばにこのサイトを立ち上げてから、現在5ヶ月ほどになります。

秋ごろに「イマージョンラーニング」という学習法に出会いました。イマージョンは英語業界でホットなキーワードにもなっています。出会ってすぐにとりこになり早速実践してみたのですが、いくつか難しいところもあるなと感じました。3ヶ月ほどの試行錯誤を経て見えてきた一つの答えを、今日はシェアしたいと思います。

多くの人々が新しい1年に想いを馳せるこの時期に、何か一つでも情報や気づきを持って帰っていただけますように

イマージョンラーニングとは:「イマージョン=浸ること」。習得したい言語に浸かる、つまり大量に聴く・読むインプットを行う言語の習得方法のこと

目次

イマージョンラーニングとの出会いと、実践と挫折

ある日YouTubeのおすすめに上がってきた一本の動画。そこで私はイマージョンラーニングに出会い、すっかり魅了されてしまいました。

関西の自称”陰キャ”男子大学生、ユート君が3年ほどイマージョンを実践した話と語彙習得のAnkiアプリなど具体的な方法を解説してくれている、【留学なし】字幕なしでドラマを見れて英語を話せるようになった方法という動画です。

この1時間の超大作を、文字起こしするに近いレベルで詳しく解説した記事を3つ書かせてもらいました。🔳関連記事:ユートくんの動画解説① / ユートくんの動画解説② / ユートくんの動画解説③

では何にそこまで魅了されたか。一番は、実践者の成果です。ユート君自身がイマージョンに出会ったきっかけとなった「Matt vs Japan」 というYouTubeチャンネルがあるのですが、その運営者、アメリカ人のマットさんの日本語が自然すぎて、度肝を抜かれました。そしてマットだけではなくイマージョンの実践者は一様に「自然な」発話力を身につけていたのです。

長年、霧の中にいました

日本生まれ日本育ち、大量の瞬間英作文を中心に英語を身につけた私には、長年の悩みがありました。それは「英語がしんどい病」です。大学生から、実に20年以上悩み続けてきたことになります。

TOEIC 930点、発音もまあまあ綺麗で外資に勤めて翻訳や軽い通訳もして、社内で英語を教えている人というと日本人の中ではかなり英語ができる部類に入るのだと思います。それでも、英語で話すことが怖い、身構える、疲れる、気が重くなる・・・

英語が嫌いではないし、いっそあきらめるという選択肢もあるのにそんなの頭に浮かびさえしませんでした。仕事はなんとかなるし、それほど英語に入れ込むこともできず、言わばアクセルもブレーキもどっちも踏んだり踏まなかったりの中途半端なおねえさんを長年続けていたんです。

圧倒的に足りなかったもの

そんな私に圧倒的に欠けていたのは、「リアルの英語に触れる量」。ユート君の動画で、そう気づかせてもらいました。実際に英語が使われている現実社会があって、そのリアルそのままに触れること。

学習者用に部分的に抜き出された単語や構文集をいくらやり込んでも、それ「だけ」ではリアルに触れることは当然ありません。そして純粋に慣れていないから、会社で外国人に話しかけられたらそりゃも、緊張します。全身の細胞という細胞が緊張状態、戦闘モード。「早く終わんないかなー」と時間が早く進むことを心の底から祈ってました 笑。

これがユート君式イマージョンラーニング

ユート君が実践したイマージョンラーニングをシンプルに言うと、こんな風にまとめられます。

  • 中学までの基礎がない人は、基本の文法と単語を数ヶ月でマスターしておく
  • その後、机に向かえる時間は大量の動画を視聴する。自分が興味のある領域(ドメインという)を決め、その話をしている一人語りのYouTubeチャンネルを見つける。
  • 最初にスクリプトを読んで、わからない表現は英英辞書で調べてAnkiというアプリなどにストックしていく
  • 一つのチャンネルで話されていることが大体分かってきたら次のチャンネルに進む
  • 机に向かっていられない、家事などの最中も英語の音を流してながら勉強する。これをパッシブリスニングという。パッシブの効果は机に向かって動画に意識を100%向けてリスニングする(アクティブリスニング)より薄いので、早く成果を求めるならアクティブの時間を増やすことが肝要。

私の中で衝撃だったのは、ネイティブ音声の海に飛び込んでしまうところです。それをずっと避け続けてきたから。そして、これまでの「意識的に勉強する」方法では、「意識してないと英語を使えない」状態を作ってしまうということもショックでした。ショックだけど、すごく納得したんです。

ユート君式イマージョンは早々に挫折・・・

ということで、動画を10時間くらいかけてブログ記事に書き出すほど惚れ込んだユート式。あるいはマット式というべきか。それを早速やってみました。でも、結論から言うと万人向きではないと感じました。

まず机に向かう時間っていうのがキツいんです。1日数時間を捻出するのが本当にできなかった・・・。

そして、YouTubeの字幕問題。自動生成の字幕は、一文の区切りが正しくないのです。ピリオドやカンマもついていません。音声を聞いてそれら不完全な文の意味を理解・類推し、この不完全さを穴埋めする必要があります。ここは、文法力がないと文の再構成は難しいと思いました。独学だと変な文法解釈をしたり意味の取り違いも起きえます。

例えばMatt vs Japan のIgnoring Pitch Accent Is a MISTAKEという動画のスクリプトは、こんな感じです。

字幕ってスクリーンの右に小さめの文字で表示されるので、それを拡大表示したりして。小さな文字って、やる気無くなりません?(実際に、文字を大きくするだけで理解しやすい、難易度が低いと脳が感じるのだそうです。だから小学校低学年の教科書ってすごく文字が大きいですよね。)

あと、Ankiのアプリがなんだか肌に合わず、全然続けられませんでした。Ankiアプリを使っている人には数多く出会いました。どうやらメジャーなツールなようです。でも、「自分には合わない」ということがわかりました。

この時期に本業が忙しかったり、とにかくデスクで「PCに向かう勉強」というものができなかったんです。あ、やってたら眠くなったこともあったのを思い出しました。ランチタイム後の時間をアクティブリスニングに充てたのが良くなかったのかも。

勉強のためにYouTubeを立ち上げたはずが、魅力的なショート動画の誘惑に片足を取られ、1本で終えるはずが両脚も浸かってしまい、なかなか戻ってこられなかったのも言い添えておきますね。これで意志力をだいぶん消耗しました。英語に浸かる前に、ショート動画のアドレナリンに浸かってどうするのよん。

それでも今後、イマージョンをゼッタイに続ける理由

ただ、ネイティブが話す動画のながらリスニングは楽に続けられて、確かな効果がありました。自分の人生で「教材の英語」以外の英語、ネイティブが普通の速度で話している英語にこれほど晒されたことはかつてありませんでした。これで速い英語を聞き続けることへの脳の抵抗も、心の抵抗も確実に減りました。最初あれほど速いと感じていたマットの英語も数週間経てば速いと感じなくなったんです。

TOEICのリスニング問題を解いてみたところ、あの45分間のしんどさが減りました。2割くらい減ったかな・・・25年1月下旬の回のTOEIC L&R受験を申し込んだので、今はTOEICに特化した教材を買ってイマージョンしたり、音読したりを繰り返しているところです。

3ヶ月のイマージョンを経てたどり着いた、ただ一つの真実

ユート君の動画の学習法に軽く挫折した後、イマージョンという学習方法を探求するべく、色々と情報を探しに行きました。読者さんが少しずつ増えてきていることもあり正確な情報を発信したかったし、イマージョンといえばこのサイト、という存在になりたかったんですね(あ、ここは全然諦めてませんっ)。

それでYouTubeを色々探して、本屋さんにも行って、図書館やBook-offでも情報を集めました。いくつかの記事にもしましたが、英語の学び方をイマージョンを中心に探求する中で分かったことは、この二つです。

・ネイティブの英語に大量に触れる、という「総論」は正しそう
・話すためのトレーニングなど具体的な方法、「各論」は人それぞれ

一言で言うなら、

ありのままの英語に大量に触れ、そのまま再現しましょう、以上!

なんです。あっさりしすぎてて怒られそうですが、これだけは間違いない真実のようです。

あとは個人個人の興味の対象、現在の英語力や基礎学力、得意な勉強方法(耳で学ぶタイプ、書くのがいい人など)、1日の中でどれくらい時間を英語に使えるか。英語を身につけたい理由は何か。読めればOKか話せるようになりたいか、いつまでにゴールにたどり着きたいかなどでもう、人それぞれ、千差万別の道を通ってOK ということになります。

だからYouTubeを見てもいろんな立場の人がいろんなことを言ってますよね。これはちょっとないな・・・と私が感じるものがあっても、その人がその人の方法で英語を身につけたのであれば、正解ということなのでしょう(ただ、華美な広告を打っているところや情報弱者さんをターゲットにした教材には、本当に気をつけてくださいね by 過去に何度もひかかった人)。

これからもイマージョニストの私が続けていく勉強法

イマージョニスト・・・イマージョンラーニングで学ぶ人、という意味で今頭に浮かんできたワードですが、Googleで調べてもボードゲームの話しか出てこずでした。これから流行らせたいわー^^

ただ、「正しいイマージョン」探しの旅路は途方も無く遠いようです。動画だけでも数えきれないほど存在し、その分析で軽く1年が過ぎそうです。このエネルギーは自分の英語を磨くことに使いたいし、きっと日本のどこかに同志がたくさんおられることでしょうから、その方達のお力を借りながら一緒に進んでいきたい、そう思いました。

「正しい学習法探しの旅」を一旦この記事で決着とするため、これまでに分かったことを踏まえて、私が今後やっていくことをまとめておきますね。

今後、イマージョニストとして取り組む英語勉強法

ながらリスニング:YouTubeでネイティブが話している動画を流す。興味があれば内容もスタイルもなんでもよし。とにかく耳の空き時間は否応なくネイティブの英語に触れること
音読・暗記:そのときの自分が話せるようになりたい素材、TOEIC受験前ならTOEIC対策本、英検前なら英検対策本を1題100回音読して「丸呑み」する。時折音声を聞いて、ネイティブの音に自分の出す音を寄せる「イミテーション」をする。
ときどき、テストの受験:TOEIC、960点は超えたい。25年は英検1級も受けよう。ザ・お勉強もするということ。

「イマージョンをやっているなら、英語を勉強してはいけない」と思い込んでいました。それが、ある英語イマージョンつながりのお友達が、がっつりお勉強して英検1級に合格されたと聞いたのです!!

単語帳なんて「意識的な勉強」だから、イマージョ二スト的には最もやってはいけないものだと思っていたのですけどね。その人に合っているのなら、その人にとっては「正しい勉強法」なのですもんね。

「正しい勉強法」を、毎日探すのをやめよう

宅浪で偏差値を15上げたときの教訓

ここで一つお伝えしておきたいのは、こんなブログを書いておいて自虐的ではありますが、もうノウハウを探し続けるのをやめませんか、ということです。

私は大学浪人をほぼ一人で乗り切った人なのですが、浪人の4月は勉強法の研究に費やしました。当時は情報源って本くらいなので、よく本屋に出かけていました。何冊かを立ち読みし吟味して、これぞというものを買って帰りその受験テクニックの本1,2冊を徹底してやっていきました

ときに無味乾燥で面白くはなかったけど、でも覚えていられることが増えている実感、勉強ができる様になっていくことが孤独な日々を支えてくれました。事実、高校卒業時の私の偏差値って55くらいだったのではと思います。それが、早稲田大学の商学部の試験が余裕と感じたので総合で70には到達していたはず。英語は、私立大の試験で難しいと感じたものはありませんでした。

一般入試で早稲田に行く人なんて、周囲に一人もいない滋賀の田舎から、しかも自宅浪人で、ほんとよく頑張りました。毎日座りすぎてお尻の付け根に何個もイボみたいなのができてました。大嫌いな数学を克服したくて、アリナミンVを毎日飲んでいたら合格の翌5月に胆嚢(たんのう)炎で入院するハメに。

でも、それでも成果をつかみ取れました!それに、英語も話せるようになっていたもの!!

だから、この成功体験が私にとっての正解なんでしょうね。大人になると勉強法を変える必要があると言われますが、ただ、今の私は何かをやってみるときに試行錯誤がゼンゼン足りない気がします。もっと一箇所にしがみつかなくては。

どんな勉強法を選んでも、成功する人は成功する。どんな優れた方法を見つけても、言い訳する人は言い訳をずっとする。私がやるのは、これぞと思ったものに心を注いでそれを「正解にしていく」ことなんですね。

会社を辞めて、英語教育にチャレンジする

中学生のあの頃から、どうしても日本人の英語と、日本の英語教育を変えたいという思いが消えません。なぜそう思うのかも、どうやって実現できるかも全然わからないのです。でも、ずーっとあきらめられません。本当にしんどくて、この思いがなければとっても楽だったのにと思うことは何度もありました。

でも、これがあるから、24年9月に長く勤めた会社を辞められました。その後も、転職せずにフリーランスと言う道を選んでいます。25年には正式に個人事業主として届け出ようと思っています。

この記事の最後にこういうことを書くのは、英語学習法の探究だけではなくて、こういう生き方が誰かの勇気になるのでは、と思うからです。それは他の英語のサイトにはない、私なりの価値提供になると思うから。

先日、読者の方から応援メッセージをいただきました。なんと現役の英語の先生からでした。

「長文読解や複雑な文法の知識も大事だけれども、日本がグローバル社会で生き残るためには、自分の考えをはっきりと論理立てて伝える表現力、思考力、そしてどんな国の人とも互角に意見を交わせる英語力なのに」と葛藤されているとのことでした。

その葛藤にはげしく共感すると共に、自分は一人ではないんだなと感じました。2025年には、お仲間を得ながらイマージョンを続け、今とはまた違う景色を観るのがとても楽しみです。4月から、日大の通信教育部で英語の教員免許の取得に向けた学びを始めます楽しんでこの道を進んでいきたいと思います!

Thank you for reading! May your English journey in 2025 be fun and wonderful!

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